オリジナリティとは?②〜金澤流麺物語 第225回
なんか長引きそうなシリーズになりそうだなぁ、今回のブログ。さくっと終わらせるつもりやったのになぁ。
先日、と言っても結構前の話なんですが、いつも散髪にいくナンブウエストにていつも髪型をお任せしている担当スタイリストの翔子ちゃんa.k.a僕のプロデューサーがこんな事を言いました。
「南さんて、クラブでアゲアゲのHIP HOPとかR&Bとか聴いてプチュハンザ!って感じですよね」
え?俺そんなB-BOY感ある??と思っていたらその次に行った時は
「南さんてサンバの人ですよね。もうそういうイメージしかありません!」
との事でした。
どっちやねん!?ってその時は笑っていましたが、両方とも正解なんですよね。
「なんでも好き。魅力あるものは何でも吸収したい。気になるものはとにかく知ろうとする」
という好奇心は大人になるほど強くなっている気がします。
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僕は24歳でらーめん屋に飛び込んだのでかなり遅いスタートだと自分で感じていました。
本気でらーめん屋になりたい!と考えている人は学校を出たらすぐにとびこむんじゃないか?と。
僕は19歳でらーめん屋で修行を始めた人よりもずっと遅れている!
その考えは僕の中で勝手に作り上げた劣等感みたいな物だったのですが、その劣等感を埋めるために僕はらーめんはもちろん、らーめん以外の料理も学んでいかないと先を行く人に追いつけない!という思いから様々な料理を独学で学んで来ました。
昨年までの豚骨専門店ではその成果を目に見える形で出す事はなかなかできませんでしたが、今の金澤流麺らーめん南のらーめんでは持てる力を全て注ぎ込む事が出来ています。
そしてそれはらーめんや料理だけではないと感じる様になりました。
青春を捧げたラグビーで学んだ精神性。
そして肉体の強さ(俺がもっと体力のない男だったら、この場所に発つ前に倒れていたと思います)
子供の頃から好きなロックンロールによって学んだ感情の爆発のさせ方。
幼い頃からの読書体験によっていつの間にか身についていた表現力。
そうしたものが全部金澤流麺らーめん南と南大祐というフィルターを通して表現できる様になりつつあると感じています。
もちろん今が完璧なのではなく、これから進んで行く中でもっと洗練させて、もっと深めて、もっと広げていきます。
ここまで書いてわかる様に、僕のオリジナリティとは、真の意味でのオリジナリティではないと言えます。
横浜家系ラーメン、様々な料理、たくさんの音楽や小説、少年野球やラグビーでの体験、それぞれ元々は別々のものです。
そして僕が存在する前からすでに存在していたもの。
僕よりも先の人達も触れていたものばかりです。
最初は純粋な憧れから手に触れ、少しでも長く、そして上手に楽しむために自分なにり工夫したり努力したり、時に挫折したり。
豚骨専門店の時には様々な料理も音楽も文学ももう過去の物だな、と感じたこともありました。
でも、40歳になって新しい店に立って、今までとは全く違うらーめんを作り出したら、らーめんも料理もスポーツも音楽も文学も、自然と自分の心から溢れ出て、自然とらーめんの形を成しました。
全ての今までの道は、自己表現をするための修行だったのかも知れません。
そしてその修行はまだまだ続きます。
何もないところから急に新しい事を生み出すことは、よほどの天才でない限りは無理です。
アインシュタインだって、シェイクスピアだって、空海だって、三島由紀夫だって、マイルスデイビスだって、ピカソだって、エゴンシーレだって、みんなみんな、何かしらに影響を受けて、自分の人生に落とし込んで、いつの日か人の心に刺さる作品を生んだのでしょう。
それぞれのフィルターを通して。
そしていつの日か、それがオリジナリティと世間から認識されて、喜ばれる様になって・・・。
だから僕のらーめんはまだまだオリジナリティには程遠く、まだまだ道の途中・・・。
それでも、何でもありで雑食で生きて来たからこそのキャラクターだけは生まれつつあるのかな?と思います。
それが今の着地点です。
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10月から塩らーめん【海の向こうの彼女はジャポネーゼ麺】をリリースし、12月から本当に使いたかった金沢大地の薄口醤油を使用した【EL☆CORAZON】をリリースしました。
この2つのらーめんをリリースした事によって、現実面で本当に予想しなかった事が起きました。
次回はその事について書きます!
これはいつも金澤流麺らーめん南を支えてくださっているお客様にも関係のある事なので、よかったらまた次回も読んでください。
どうぞよろしくお願いいたします。
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