夢の叶え方〜金澤流麺物語 第196回
みなさんは夢はありますか?
『目標』ではなくて、『夢』です。
僕はあります。
そんな夢の話を書いちゃおうかな・・・やめておこうかな・・・。
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ここに一冊の本があります。
僕の大好きな本です。
おそらく三回は読んでます。
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羊飼いのサンチャゴは羊飼いの日々を満足していました。
羊飼いでいる事は彼の夢でもありました。
しかし二度見た『本当の宝物を手にする』が気になり、占い師や老いた王様に会い話を聞く中で少年は羊飼いの仕事を捨て、エジプトへと旅することを決めます。
その旅の道中で様々な気づきを得て、少年は宝物を手に入れます。
ネタバレにならないようにザックリとしたあらすじを書きました。
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僕がこの本を初めて読んだのは多分20歳くらいでした。
その頃アレンギンズバーグやジャックケルアックにかぶれていた僕はこの本の良さがあまり解らず、「児童文学なんかな?」くらいにしか考えてませんでした。
その次に読んだのは、33歳くらいやったかなぁ?
10年は経ってました。
初めて読んだ時よりかは理解は深まりましたが、
『人が本気で夢の実現を求めた時、宇宙は全力で協力する』
や
『人は夢を追いかけている時、すでに、夢の一部である』
といった本来なら真理の言葉であるはずの文面を素直に受け取る事が出来なかったのです。
当時のあまりにも過酷で時間も金銭的にも絞りあげられていた僕は
「何言うてるねん、どうにもならんもんはどうにもならへんねんけ」
とか
「そもそも夢を見る余裕すらない人間はどうするねん」
と、毒づきながら読むしかないくらいにやさぐれていました。
しかし、昨年自己破産を申告し、親友剛の助けでこの店を出すことができました。
そしてその店に湘南や京都や奈良からわざわざ時間とお金をかけて金沢の新しい僕のらーめんを食べに来てくれる友人がいます。
全国の友人から毎日励ましと応援の声をもらいます。
そして石川県の新しいお客様に囲まれて日々を過ごしています。
そんな40歳の今の僕が読んだら・・・この本の物語と言葉がすんなりと僕の心に入って来ました。
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今僕はとても幸せです。
目指したい地平があり、まっすぐにその地平への道を歩んでいます。
物語の中で様々な出会いと経験から様々な気づきを得たサンチャゴ。
そのサンチャゴの道のりは、湘南であがきにあがいていた僕そのものでした。
僕はすでに宝物を手にしています。
あとはまっすぐまっすぐ歩くだけです
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僕の夢、書いちゃっていいですか?
100年後、『金澤流麺』という屋号が、石川県の皆さんはもちろん他府県のにも『かなざわらーめん』と普通に読んでもらえるようになっている事です。
そして『金澤流麺』を名乗る100年後の若者達の作る信じられないくらい美味しいらーめんを見て、天国の僕が地団駄を踏んで悔しがる事です。
「どあほ!俺だってなぁ!今そのキッチンにいたらもっと美味いもん作ったるわ!きー!死んでる事が悔しい!!」
なんて言いながら。
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ぶっちゃけ、お客様が全然来なくて気持ちが弱くなる夜もあります。
でも、今日という1日が自分のやるべき仕事をしっかり出来ているなら、僕は「よし、今日も100年後への一歩を踏みしめたぞ」と強い気持ちをいつだって思い出します。
だから、不安はありません。(いや、時に不安になる夜もあるけど。どっちやねん)
僕はサンチャゴ。
サンチャゴは僕。
まっすぐまっすぐ歩いて行くだけです。
宝物を目指して砂漠を渡ったサンチャゴの様に。
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明日もあなたが優しくあります様に。
明日もあなたがあなたらしくあります様に。
LOVE & BEER!
そして
RAMEN & ROLL!!
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