
あれから一年〜金澤流麺物語 第166回
去年の五月、僕は前職を辞める決心をした。
自分の名前を冠した店で、自分の作り上げた味で、とても愛着のあったあの店から離れる決心をした。
当時僕は心身も生活も先の展望もボロボロでどうすることもできない状態だった。
あれから1年・・・。
様々な事があって、たくさんの事を学んだ気がする。
湘南から時に訪れる仲間たちは僕の顔を見て『まるで別人の様だ」と違語同音に言う。
それはもちろんいい意味で。
「穏やかになった」「表情が優しくなった」「落ち着いた」「目つきが良くなった」などと言ってもらえるが、僕自身はあまり自覚がない。
今ももちろんたくさんの不安やプレッシャーや恐れを抱えながら戦っている。
親と自分の生活と人生を立て直す事が出来るのか?
全力で支えてくれた剛に恩を返すことは出来るのか?
本当に石川県の人たちに喜んでもらえるのか?
それでも明確な目標を口にできて、今日の仕事が確実にその目標への小さなステップである事を信じているから、不安やプレッシャーや恐れを気にし過ぎるよりも、やるべき事をやるだけだ、と腹が決まって前に進めていると思う。
今日も目の前の御園小学校の児童たちが何人も「おはようございます!」と元気良く挨拶をしてくれた。
この子供達の一人でもいいから、30年くらい経った時に「あそこのらーめん屋、俺は子供の頃から通ってんだ」って言ってもらえる様な店になりたい。
誰かの、そしてこの地域の、小さな誇りになれる様に。
よし!
今日も誇り高く生きよう!
そして誇り高く働こう!
今日は『特製レアチャーシュー麺』があとすこしです!!
売り切れ必至なので、早い者勝ちです♪
どうぞよろしくお願いいたします!
この記事へのコメントはありません。