
京都というルーツ~金澤流麺物語 第133回~
僕は最初はかたくなに
『石川県の食材にこだわる』
とばかり考えていたのですが、
自分の過去をきちんと受け止める事で
『自分なりの金沢を表現しよう』
と考える様になり、
僕の思う石川県とは?の問いには
『詩的な美しさ』
という答えを見つけ出し、
そして全ての
理念
コンセプト
人との繋がりと縁
自分の過去と未来
全てへの感謝
これらを象徴する言葉として
『金澤流麺』
という造語を作りだしました。
『金澤流麺』
はただの屋号ではなく、
思想と哲学と愛を込めた言葉です。
『金澤流麺』
はらーめんのスタイルを指す言葉では
ありません。
これから100年続く歴史を作り出す
指針であり羅針盤であり
地上から見上げるお月さまの様な
一つの『象徴』です。
・
だから僕は自分をらーめん屋として育てて
くれた横浜と東京と湘南。
そして生まれ育った京都からの影響を
しっかりと胸に抱いて進みたいと思います。
・
繊細ならーめんを作りたいと
考えています。
荒々しい生活で
荒んだ心で過ごした
海辺の町での15年間。
そこで味わった苦痛と
悔しさと歯がゆさ。
自分への失望と絶望。
後悔と憤り。
その全てを受け止めて受け入れました。
そして海辺の町で手にした
確かな喜びと友情。
その全てに応える為に、
海辺の町の仲間達に笑顔で再会するために、
僕は生き方を変える決意をしました。
『丁寧に生きる』
その想いと
『詩的な美しさ』
を表現するために
『繊細ならーめんを作りたい』
そう思うのは僕には必然でした。
・
試作を重ねる中で、
金沢の醤油や富山の醤油、
能登の塩等、
石川県及び北陸の食材を中心に
フランスや沖縄の塩、
長野県のバルサミコ酢、
北海道の昆布など
様々な食材を選んで行きました。
ベースは金沢、石川県、北陸の食材。
そこに自分が『良いな』と思う食材を
重ねて行く、という開発が進みました。
ちなみに塩らーめんのタレには
鶴来の『万歳楽』の山廃仕込みを
使用しています。
そんな食材の中でどうしても
使いたかったのが京都の
『九条ネギ』
でした。
以下、次回に続きます。
この記事へのコメントはありません。