
どんな店にしていきたいか?~OnTheRoad 第104回
僕が金沢に帰って来てから
ずっとお世話になっている
美容室のナンブヘア。
そしてそのスタイリストのしょうこちゃん。
もし別のスタイリストの方が
僕の担当だったら、
僕の髪型は全く違うもの
だったかも知れない。
スタイリストの個性によって
ヘアスタイルはきっと大きく変わるだろう。
しかしどれだけ髪型が変わったとしても、
そこに「さすがナンブヘアだな」と
お客様に思わせる確実なレベルの
品質とブランド力があれば、
スタイリストの個性は大きく
羽ばたいてもいいのだろう。
そしてそうした自分の個性を
大切にしてのびのびと働いている
スタッフがそろっている
Nanbu-WESTは店として
とても魅力的だ。
だから思う。
「僕も目一杯自分らしいらーめんを作りたい」
と。
僕にしか作れないらーめんが作りたい。
僕だからこそ作れるお客様の笑顔に出会いたい。
・
海辺の町で、当時の会社の都合で
僕がらーめん屋に立たなくなったら、
会社からは「お前以外でもどうにかなる」と
無用の烙印を押された。
確かにそうなのだろう。
僕の作り上げたらーめんは、
もう僕以外の人が作っても
きっと何も変わらない。
でも、それ以上もない。
僕はずっと自分を進化させたいと
思っていた。
一定の売上を出した途端、
『下積み禁止』という『社是』を出し、
僕に鉄板焼き屋や居酒屋をやらせようとした
会社は、僕かららーめんを奪った。
僕はどこで人生を間違えたのか?
と苦しみ続けていた。
そして何度も書いている事だが、
自己破産して当時の会社と縁を切って、
僕は再スタートを切る事にした。
そしてここでやっと本当の自分で
勝負しようと決めた。
そして『丁寧に生きる』と決めた。
そして南部さんと出会い、
ナンブヘアに通い出し、
しょうこちゃんの仕事に触れた。
「僕は自分らしく生きる」
そう思わせてくれたのだ。
・
今となっては海辺の町での経験と
当時の会社での経験に感謝をしている。
様々な事を経験した事によって、
自分が本当に何を目指したいのかが
ハッキリした。
もし27歳で店を構えた時から
思う存分好きなようにやれていて、
お金も時間も手にしていたら、
僕はもっとダメな男になっていたのでは
ないだろうか?
苦しい時間を過ごしたからこそ、
今こうして真正面から自分の
半生と向き合えているのではないだろうか?
そして、本当の自分の気持ちに気付いた。
「こんなにもらーめんの事が好きだったんだな」
と。
愛以外の何物でもない。
以下、次回に続きます。
*写真は
『ガルバンゾと豚肉のジプシー風煮込み』
です。
らーめん屋だからなのか?
煮込み料理が好きですし、
得意です。
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