
金沢見聞録第4回
みなさん、こんばんは。
今日は金沢で開催されていた
『北陸らーめん博』
という大きなイベントに行ってきました。
産業展示館というとても広い
多目的イベント会場に
全国から16軒ものラーメン屋が
集まっていました。
これは行かない手はありません。
9時開場との事で、僕は8時10分頃に
車で会場に向かい8時30分には
到着しましたが、すでに入り口には
長蛇の列が出来ていました。
写真では解りづらいですが、
会場の入り口から人の波が
蛇行しながら続いています。
もう17年も前の話ですが、
この会場にジュディ&マリーの
コンサートを観に来ました。
僕は今日は計7軒のらーめんを
食べたのですが、
ここで書きたいのはそれぞれの
味ではありません。
今日考えさせられたのは、
『らーめんの個性とアピール』
という事でした。
全国から集まるのですから、
どの店も実力があって個性が
あります。
当然どこも美味しいです。
ですがどの店もポテンシャルを
全部は発揮できていない様に
感じました。
写真では解りづらいですが、
二つの違う店同士の器は
イベント用の全く同じものです。
ですので、容量もどの店も同じです。
そしてどの店も連食しやすい様に
小さく作られてます。
(小さいとはいえ、2杯も食べたら
普段の中盛りか大盛りになります)
その中で一日に7杯食べた
僕はなかなかのものだと
思いますが、ギャル曽根は
偉大だと思わざるを得ません
でした。(完璧に余談です)
それぞれの店舗で出される
らーめんは、店によって
ボリュームは違います。
それをイベント用に合わせる
のですから、本来の魅力が
出しきれないのは当然です。
そして、使い捨て容器で
出されるらーめんはどうしても
本来の美味しさを伝えきれません。
想像してください。
貯金をして買った自分の恋人の
生まれた年のビンテージワイン。
二人の記念日に特別のタイミングで
コルクを開けます。
その時のワインを注ぐグラスが、
クレヨンしんちゃんのマグカップ
だったら・・・。
想像しただけで不味いです。
ですから、こうしたイベントで
味に関してあーだこーだ言うのは、
とてもアンフェアです。
しかし、人気と行列には歴然とした
差が生まれています。
石川県に住む人々には他県の
有名店の情報などあまりに少なく、
ほとんどの人がほとんどの店に
対して初見のはずです。
しかし、行列と人気に差が出ます。
そこで行列の出来ている店と、
そうでもない店とを比較してみました。
金沢から唯一出店している店は、
残念な結果です。
それは当然です。
だって石川県民はいつだって
その店に食べに行けるし、
金沢では人気店ですから、
すでに行った事のある人や
中には常連の方もいた事と
思います。
ぶっちぎりの行列は、札幌と
博多で長年親しまれている
全国的にネームバリューの
ある老舗です。
その店の持つ歴史、
らーめんの発展の歴史の礎であり、
進化の激しい現代らーめんにおいても
その風化されない味の説得力と
店の存在感は、どの店の太刀打ち
出来ません。
さすが名店です。
その次に続くのが、特徴をはっきりと
打ち出した店です。
例えば、大きなチャーシュー。
肉で覆われた丼。
有名店同士のコラボレーション。
真っ黒な脂・・・。
見た目のインパクトと、
そのインパクトを伝える
的確なキャッチコピーです。
そして、一番弱いのが
『ご当地らーめん』
でした。
ご当地ラーメンブームが関東で
巻き起こったのは20年近く前です。
その時期にらーめんマニアは
全国のらーめんの知識を集め、
比較的なんでもそろう東京で
それらのほとんどを食します。
その後、ご当地らーめんは
爆発的に全国に広まりました。
この石川県でも僕にとって
原点である
『横浜家系』
がいたるところで食べれます。
もうご当地と言うだけでは
インパクトに欠けるのです。
そして、地元に深く根ざした
ご当地ラーメンは、他県の人から
すると目新しいけど特別では
ない一品だったりするのです。
現代のラーメン屋は、美味い事は
当たり前です。
清潔も当然です。
食材や調理法にこだわるのも
当然です。
どこにもない個性があって当然です。
そしてそれだけでは他店との差別化は
出来ないのが現実です。
お客様の審美眼はシビアです。
僕たちが考え抜いても
お客様はさらに上を行きます。
その中でさらに必要になってくるのが、
『人間力』
と
『自己プロデュース力』
ではないかと思います。
そしてこうした『人間力』の
伝わらない大きなイベントでは
プロデュース力、アピール力、
キャッチコピーを作るセンスが
問われてくるのではないでしょうか?
僕は今、毎日様々な本を読み、
色んな縁で繋がった人の話を
聞いて、味以外の勉強をしています。
しかし自分一人で考え抜いた所で
たかが知れていますし、
自分に味もプロデュースも出来る
才能が備わっているとは思いません。
ですから、僕は親友であり、
ビジネスパートナーであり、
恩人である剛と理念とイメージ、
ビジョンを共有し、こうした
ブログでのレポートで第三者にも
見ていただき、様々な意見を
聞いていきたいと考えています。
もちろんその意見に極端に
左右されて軸のない味と
店を作るつもりはありません。
人さまの心のひだに寄り添うような、
そんな仕事をしていきたいと
思います。
どうぞよろしくお願いします。
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