提供:金沢市

金沢見聞録第3回

イガゾー会員の皆様、こんにちは。
自分のあがってなんぼブログでも
書きましたが、先日とあるセッションを
受けました。
そのことによって、自分のこれからの
行動に迷いがなくなりました。

今は限られた時間とお金でやれる事を
やっています。

自分のやるべきこと。

1、金沢のリサーチ(味と土地)
2、味の研究
3、自身の心身を整える
4、感性を磨く
5、当面の生活費と必要経費を稼ぐ

どれもこれも大切です。
一秒たりとも無駄に出来ません。

その中で

『感性を磨く』

これほど曖昧な言葉もありませんが、
今は目に見えるもの、触れるもの、
聴こえるもの、口に入れるもの、
匂いとして感じれるもの・・・

etcetc・・・。

全てがいずれ自分のらーめんという
表現、らーめんという他者との
コミュケーションに全て投影されて
くるのだと信じています。

自分の勉強のために料理本やビジネス書も
読みますが、それと並行して文芸作品にも
毎日親しんでいます。

三島由紀夫とシェイクスピアを最近は
よく読みます。
中学生の頃から何年かおきに同じ
本を読みなおしたりしますが、
その都度自分の感じ方が違ったりして
本当に面白いです。

文芸作品に触れる事は、きっと
これからのらーめん人生に大きく
影響してくるでしょう。

それは屋号をもったいつけた
文学的なものにするとか、
らーめんの名前をらーめんと思えない
様な難解な言葉にするという事では
ありません。

自分が作るもの。
お客様が食べるもの。
手で触れる食材。
その過程・・・。

全てに意味が宿り、
全てを『美味しい』という
感動へと集約させる。

そうした行為に繊細さと
優しさを僕に与えてくれる事でしょう。

作りたいアイディアがたくさん
あります。

ひとつの人生で足りるでしょうか?
とても贅沢な悩みです。

金沢らーめんが存在しない。

僕はこの意味をいつも考えています。
自然が豊かで食材が豊富。
京都からも江戸からも影響を受けた
金沢文化。

お茶、コーヒー、友禅・・・
金沢はアートと文化の街であり、
歴史と都市生活が同居した
進歩と調和の街であると思っています。

その中で金沢の方は非常に柔らかくて
繊細な感覚と感受性をもっているの
ではないかと思っています。

もちろん、味覚も。

その中でラーメンだけが独自性も
固有の文化も持ち合わせてないように
思えます。(まだリサーチ中なので
結論を出すのは早いかと思いますが)

どこのラーメン屋も非常に大味です。

その中で、金沢でトップクラスの
人気を誇り、数少ない清湯系であり、
ネットユーザーから絶大な支持を
得ているという店の噂を聞きつけ
行ってまいりました。

1443705542152自然派らーめん神楽

自然派らーめん神楽(かぐら 寺町)

大将はフランス料理出身とのこと。
化学調味料は一切使わず、素材に
こだわり抜いたラーメンとのこと。

神奈川県暮らしが長い僕と剛なら、
こうした知識を聞くと
『支那そばや』
を思い浮かべれます。
あの透明なのに幾重にも
重なった旨み。
シンプルなのに旨みと深みを
湛えたあくまでもやさしくて
純粋な味。

神奈川県民はあの味を
基本に持っていますから、
らーめんには非常に批評的です。

一言で言うと、厳しい。

神楽。

全く何も感じませんでした。

化学調味料を使わないのは
大いに結構ですが、味がないのは
自然派とは違います。

京都に行く機会があれば、
どこでもいいので街で
評判のうどん屋に入ってみて
ください。
昆布をメインに節類を加えた
優しい出汁が、なぜここまで
舌にも心にも染みるのか?

あれが旨みです。

あれが京都の庶民の遺伝子に
刷り込まれた『お出汁の記憶』です。

神楽の腰のないスープとあってない
中太麺も????でした。

これは余談ですが、お土産に
自慢の『無化調餃子』を両親への
お土産に買って帰りました。

親子で『王将のが100倍美味くて安い』

という結論に至りました。

ここで僕が言いたいのは、
神楽の否定ではなく
『無化調』が大切なのではなくて、
『本当に美味しい事』が大切という
事です。

化学調味料を使うかどうか。
高い食材を使うかどうかは、
二次的な情報でしかありません。

僕たち飲食店の使命は、

『美味しい物を作る』事と、
『1ミリでもいいからお客様の
気持ちをアップリフトする』事です。

無化調である。
自然派である。

という事が、僕が見た神楽は
『自己満足』
であるようにしか写りませんでした。

あと、もたいぶって作ってる大将と助手。
素晴らしい接客をしながら調理以外の
全ての仕事を受け持っててんやわんやの
女将さん?と見習いの方?の
コントラストにも何も感じませんでした。

チームワークも情熱も感じませんでした。

僕があの店の大将なら、オーダーの
合間の空いたタイミングで女将さん?と
見習いさん?をフォローしてみんなで
店を盛り上げたいと思います。

店は生き物です。
1人ひとりの仕事が全てうまく
かみ合う瞬間、言いようのない
感動を味わえます。

全てのスタッフが全員意思が共通し、
それぞれの役割を全うした上で
協力して助け合います。
そして待つお客様にこの上ないタイミングで
丼を届けます。

そうした小さな奇跡が、一年にほんの
数回訪れます。
あの奇跡を味わう為に、僕たちは
毎日手を抜かずに頑張ります。

全てはお客様と自分たちのために。

僕はそうした奇跡の瞬間の事を

『スウィングしてる』

と呼んでいます。

自分たちがスウィングしていれば、
お客様の気持ちだってスウィングします。

神楽ではスウィング出来ませんでした。

僕は金沢の人が喜ぶ『金沢らーめん』
を作りたいです。

おこがましいかも知れませんが・・・。

金沢らーめんと名乗れたら、
どんなに幸せでしょうか?

そんな夢を見ています。

追記;文体変えました。
会員限定ブログは、今回の
様なブログで皆様に語るように
綴ろうと思います。

 

 

 

 

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